火に強い家を作ろう 「燃えしろ設計」と「ボードによる被覆」
防火・耐火性能を高める具体的な方法について
過去、火の手が上がっても建物全体が構造を保てる時間を使えば、防火・耐火性能を測れることを紹介しました。
火災に強いお家を建てるには、それぞれの時間に見合った準耐火構造とする必要があります。
ここでは、防火・耐火性能を高めるための方法を二つご紹介します。大きく分けて二つの方法があります。
その二つの方法を知ることで、「火災に強い」とはどう言うことなのか、実感していただけるでしょう。火災に強いお家を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
燃えしろ設計」について
準耐火構造の建物を建てる方法の一つ目は、「燃えしろ設計」です。
燃えしろ設計とは、一言で言うと、柱に燃えてもいい部分、「燃えしろ」を作る設計です。柱の表面が燃えても建物が崩壊しないような構造が作れます。
この場合の許容応力度計算は、燃えしろ部分を省いた柱の太さで考えます。
許容応力度計算とは、構造計算の一種です。
家の柱や梁が、家の重みに耐えられるかを計算によって確かめる計算を指します。
火事の際、柱が耐えられる重みは、その部材が燃えていくにつれ、小さくなっていきます。
柱などの構造部分が、火災により建物の重みに耐えられなくなると、建物が倒壊してしまいます。
火災避難時に最も避けなければならないことは、建物の倒壊に巻き込まれることです。柱は燃えると、重みに弱くなり、やがて建物の構造が崩壊してしまいます。住民が建物の下敷きになってしまい逃げ遅れてしまうと言うケースは避けなければいけません。
燃えしろ設計に基づく準耐火建築物では、各部材毎に燃えしろを設けます。そうすることで、柱の重要な部分が燃えるまでに余裕をうむのです。燃えしろの広さによって30分、45分、1時間という定められた時間、炎に耐えられるよう設計されてます。
そのため一般的な柱よりも、太くなると言うわけですね。
もちろん、その時間は、逃げ遅れを防ぐだけではなく、消化活動の時間でもあります。建物の崩壊が防げるため、その後も住み続けることが可能です。結果的に家の寿命を長くするが可能です。
もう一つの方向性「ボードによる被覆」
燃えしろ設計では、柱などの燃える素材を太くして燃えしろを作ることで、規定の時間構造を維持するように設計しています。しかし、ボードによる被覆では、火災に強いボードで燃えやすい素材である柱などの部材を覆うことで、構造部を炎から守ります。
木造住宅では、軸組をパネルで覆うため、「木造軸組パネル工法」と呼ばれています。
この工法に使用される耐火パネルの研究は日々進んでおり、防火性の高いパネルが研究開発されています。
使用されるパネルは、実証実験を行なっているため、どの程度の火に耐えられるか、どれくらいの時間耐えられるかがわかるようになっています。
性能が目に見えてわかるので、安心して使用することができますね。
「木造軸組パネル工法」では、どのようなパネルを使用するかで、家の性能に直結します。
この工法で家を建てる場合は、パネルの性能について調べてみることをおすすめします。自分の目的にあったパネルを選ぶようにしましょう。
火災に強い家ならイチマルホームまで!
家を建てる前から火事の心配はしたくないですよね。
ですが、万が一に備えることは大切なことです。
防火地域、準防火地域に建てるから、火災保険料が安くなるから、様々な理由で準耐火建築物を建てる方もいらっしゃいます。防火・耐火は自分や家族だけではなく、地域の人々の命を守ることに直結します。
大切な人を守るために、ぜひ、火災に強い家を検討してみてはいかがでしょうか。
火災に強い家へのお悩みは、イチマルホームまでお気軽にご相談ください。